【壱岐のパワースポット】日本神話の神々と出会う旅。神社巡りと森のカフェ

日本最古の歴史書「古事記」の国生み神話に登場する長崎県の離島・壱岐。
神話に登場する壱岐には150以上の神社があり、「神々が宿る島」として知られ、島全体がパワースポットとも言われています。
今回は「古事記」や「日本書紀」に登場する神話時代の神々をお祀りする、壱岐の代表的な神社4社と素敵な森のカフェをご紹介します。
掲載日:2025年01月21日
ライター:Miyako
壱岐島と日本神話
「古事記」の国生み神話で、国生みの神・イザナギノミコトとイザナミノミコトによって作られた8つの島のうち、5番目に誕生した壱岐島(伊伎嶋)。
「天比登都柱(アメノヒトツバシラ)」とも呼ばれ、天と地を繋ぐ架け橋としての役割を担うなど、古来より神々との関わりが深い場所とされてきました。
日本には八百万の神がいると言われるほど数多くの神様がおり、全国各地の神社には様々な神様が祀られています。
万物に神が宿るという神道の考え方から、山や岩、木などの自然物を神そのものとして祀っているところもあります。
壱岐には日本を生んだ神・イザナギノミコトとイザナミノミコト、そして、イザナギノミコトの禊から生まれた三貴神・アマテラスオオミカミ、ツクヨミノミコト、スサノオノミコトという日本神話の神々にゆかりのある、自然と一体になった神社があります。
壱岐の自然と美しい景観とともにある神社へ赴き、ご利益を頂きにいきましょう。
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各1,320円(税込)/1冊
①日によって限られた時間にしか参拝できない。国生みの女神・イザナミノミコトとその子・スサノオノミコトを祀る「小島神社」
内海湾に浮かぶ島全体が神域である小島神社。
アマテラスオオミカミの弟神であるスサノオノミコトや、母神であるイザナミノミコトをお祀りしていて、恋愛成就、縁結び、商売繁盛などのご神徳があります。
ここは「壱岐のモンサンミッシェル」と呼ばれ、干潮時の限られた時間のみ、神社へと続く砂浜の参道が現れ、歩いて参拝することができる神秘的な場所です。
太陽と月の引力に影響を受け、自然によって決められたタイミングでしか神様に出会えないこの地は、壱岐でも人気の観光名所となっています。
干潮時に島へ渡り、反対側まで回ると、もうひとつの鳥居があり階段が見えてきます。
こちらの階段は近年参拝者の増加により、崩れかけて危険な状態にあった足場を改修したもので、その資金はクラウドファンディングによって集められ、2024年9月に工事が終了したばかり。
社殿に向かい階段を登りながら、神秘的な小島神社に安心・安全に参拝できるのは、地域の方や氏子さん、支援者の方々などのお陰であることに感謝しながらお参りしたいものですね。
地域からも昔から「小島さん」と親しまれ守られてきた小島神社。
人、自然、神様との距離の近さを感じます。
小島神社に行くには、潮の満ち引きを事前に調べた上でお出かけください。
②月を司る神・ツクヨミノミコトを祀る月讀神社
月讀神社では、アマテラスオオミカミの弟である月の神・ツクヨミノミコト(月読命、月夜見命、月弓命)の三柱をお祀りしています。暦・潮の満ち干きなど月にまつわるすべての行い、安産や航海安全などのご神徳があります。
全国にある月読神社の元宮であり、京都にある月読神社は487年に壱岐から分霊して祀られたとされています。
階段を登った先の本殿に月読命をお祀りされていますのでお参りを。
小さい神社ではあるものの、本殿へ参拝してその後、すぐ帰ってしまうのはもったいない!
境内には少しでも長く滞在してもらおうと工夫を凝らしたアイデアと見どころがあります。
本殿の参拝後は、右側へ回りましょう。
先には赤い鳥居が見え、鳥居をくぐった先には月夜見命、月弓命が祀られているので、こちらの二柱への参拝もお忘れなく。
鳥居の手前には「招福の鼓」がかかっていて、自分の年の分だけ鼓を叩いて赤い鳥居の前でお願いごとをすると幸福が訪れるといわれています。
ぜひ小槌で鼓を打ってから参拝してみてくださいね。
また、境内には「茅の輪」が置いてあります。
一般的には6月末の「夏越の大祓」の時期に各地の神社で無病息災を願い設置されているものですが、ここでは「茅の輪くぐり」が一年中できるようになっています。
授与所の隣には気軽に楽しめる輪投げコーナーも。
3つ輪投げが成功すると景品として手作りの茅の輪のお守りをお渡ししているので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
本殿のそばでみんなでワイワイと楽しそうに輪投げをする姿や声を聞くのも、宮司さんの楽しみなんだそう。
輪投げを外しても、お守りがほしいという方はお受けすることができますよ。
また、神社の本殿の裏には地神様も祀られていて、パワースポットとして何か不思議な力を感じる方もいるんだとか。こちらも見逃さず、パワーを頂いてみてください。
月讀神社へ来たら、三柱の月の神様と地神様、それぞれに参拝して、招福の鼓や輪投げ、茅の輪くぐりもぜひやってみてくださいね。
③アメノヒトツバシラとツクヨミノミコト降臨の地、みちひらきの神・サルタヒコノミコトを祀る男嶽神社
明治時代までは男嶽山全体がご神体とされ、一般の入山が禁止されていたほど神聖な場所だった男嶽神社。
神話の中では、アメノヒトツバシラやツクヨミノミコト降臨の地であるとされ、「月読神社」の鎮座地はもとは男嶽山にあったともいわれています。
お祀りしているのは天孫降臨神話において道案内を勤めたサルタヒコノミコト。
みちひらきの神様として物事を良い方へと導いてくれるとされ、交通安全、良縁成就、夫婦和合などのご神徳があります。
男嶽神社参拝の際は、正面の鳥居の目の前まで車で行くこともできますが、おすすめは男岳公園の駐車場から歩いて社殿へ向かう表参道からの参拝です。
青い「男岳」と書かれた看板を目印に、奥にある鳥居をくぐって階段を上っていきましょう。
まるでもののけ姫に登場するコダマがでてきそうな鬱蒼とした森の中をしばらく進むと、右手に赤い鳥居の稲荷社が見えてきてそちらの道からも社殿へ行くことができます。
表からの参拝であればそのまま左側の道を進んで正面の鳥居から入りましょう。
鳥居の先にある拝殿に参拝した後、右手へ進むと社殿の横には御祭神のサルタヒコノミコトにちなんだ200体以上の猿の石像がずらりと並んでいます。
じっと見つめていると何か語りかけてきそうな雰囲気です。
その先を進むと社殿をぐるりと回る道があり、拝殿裏にあるご神体の岩にもお目にかかることができます。
こちらの磐座は方位磁石の針が狂うほどの強力な磁場があり、パワースポットとして注目されています!見逃さずにパワーを頂いてくださいね。
正面の鳥居の横から壱岐全体が眺められる展望台にも上がってみましょう。展望台からはダムを隔てた向かい側に女獄神社が鎮座する女嶽山を臨むことができます。
男嶽神社と女嶽神社は夫婦神社であり、二社に参拝すると良縁に恵まれると言われています!男嶽神社への参拝の後は、女嶽神社へもぜひ参拝しましょう。
④男嶽神社と合わせて参拝を!サルタヒコノミコトの妻・アメノウズメノミコトを祀る女嶽神社
男嶽神社のある男岳山を下り、向かいの女岳山へ。
神社への道は細く急なので、車の際は注意してください。
女嶽神社への参道はトレッキングコースでもあるので、運動がてら徒歩でお参りするのもいいでしょう。
鬱蒼とした森の中にぽつんと佇む女嶽神社。
御祭神はサルタヒコノミコトの妻・アメノウズメノミコトです。
神話では岩戸隠れであのアマテラスオオミカミを大胆な踊りで岩戸屋から引き出した女神として知られ、芸能の神様でもあります。
天孫降臨の際、ニニギノミコトにお供をしていたアメノウズメノミコトは道案内役のサルタヒコノミコトと出会い、後に結婚します。
そのため、この二柱をそれぞれお祀りする男嶽神社と女嶽神社をセットで参拝することによって良縁成就や縁結びのご利益が得られると言われています。
女嶽神社に参拝後は、女嶽神社のご神体である「巣食石(すくいいし)」への参拝もお忘れなく。
神社から少し離れた女岳山の中腹にあり、神社への分かれ道に看板があるので、そちらへ進んでいくと巨大な岩が現れます。
「巣食石」は昔この岩の上に鳥が巣を作り住みついたことに由来してその名がついたと言われています。その鳥は子どもを運んでくるコウノトリだったと考えられており、子宝に恵まれるのを願って参拝する方も多いのだそう。
また、この巣食石も男嶽神社のご神体である磐座と同じように強い磁場が存在すると言われ、パワースポットとして知られています。
巣食石のある場所からは対になっている男岳山が見え、アメノウズメノミコトとサルタヒコノミコトの二柱が仲睦まじく向かいあってこの地を守っているかのよう。
良縁を求めて、あるいは夫婦円満や子宝を願う方はぜひ男嶽神社と合わせて女嶽神社と巣食石に参拝してみてくださいね。
神社巡りの際に立ち寄りたい!ほっとできる癒しの古民家カフェ「morino cafe @ten」
女嶽神社からほど近くにある、自然に囲まれ風情のある古民家カフェ「morino cafe @ten」
もともとは診療所だった建物を改装して2023年7月にカフェとしてオープンしました。
旬の食材、オーガニック、できるだけ壱岐産のものにこだわり、東洋哲学の考えなども取り入れた自然食メニューを提供しています。
こちらで頂いたのは、壱岐の焙煎所・イチノ珈琲焙煎所 のオーガニックコーヒーとどっしりとした手作りで食べ応えのある「どすこいチーズケーキ」。
心にも身体にも優しい素材で作られたケーキとコーヒーでほっと一息つきながらエネルギーチャージを。
カフェの雰囲気にも癒されます。
イチノコーヒー焙煎所については、#ナガサキタビブのRuRiさんの記事をご覧ください。
関西から移住されたフレンドリーなスタッフさんは、なんとカフェのオープン前は男嶽神社の境内にある「おみやカフェ」で働いていたそう。
神社や壱岐の魅力についても教えてくれました!
また、morino cafe @tenのtenは敷地内に鎮座する天月神社が由来となっているそう。
ここも神社に関係していたのは何かの巡り合わせでしょうか…
こちらで旬の壱岐の食べ物からパワーを頂きましょう!
裏メニューで占い(四柱推命)もあります!
占いは夕方のカフェが落ち着いている時間に受け付けているそうなので、占い好きの方はパワースポット巡りと合わせて、カフェでお茶しながら占いを受けてみてくださいね。
美しい自然と日本神話の神々に会いに壱岐の聖地巡礼の旅へ
今回ご紹介した神社4社とカフェのmorinocafe@tenは、島の北東部に点在していて、芦辺港を起点にすると効率よくスポットを回ることができます。
数多くの神社がある壱岐ですが、まずは日本の原点に触れる日本神話の神々のパワーを頂きにこれらの神社へ参拝し、自然と地域に寄り添う森のカフェに立ち寄ってみては。
壱岐の美しい自然とともにある日本神話の神々に会いに、壱岐へ行ってみませんか。
今回訪れた場所
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この記事を書いた人

#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
長崎の魅力を県外や海外の方に知ってもらいたい!
長崎県大村市出身。インバウンドを得意とする旅のコンテンツクリエーター。海外・東京などでの生活を経て、2018年の暮れに長崎にUターン。その後、長崎の歴史や文化を学び直し、その魅力にはまる。個人のSNSやフリーランストラベルライターとしても複数メディアで長崎の魅力を発信中。