九州百名山・多良岳トレッキング長崎県側ルート【前編|黒木登山口~金泉寺】
長崎県と佐賀県の県境に位置する標高983mの山、多良岳。多良山系の一峰で九州百名山に選ばれ、日本三百名山の一座でもあります。
修験道の霊地として信仰され、パワースポットとしても知られる多良岳には、佐賀県側と長崎県側から登る複数の登山ルートがあります。
今回は代表的な登山ルートの一つ、長崎県側大村市の黒木登山口から多良岳に登ってきました!
※修験道とは…古来の山岳信仰を基に、仏教(密教)・神道・道教などが融合して成立した日本独自の民族宗教のこと
掲載日:2025年12月23日
ライター:Miyako
多良岳登山のシーズンと難易度は?
多良岳周辺には多良山系最高峰の経ヶ岳や第二峰の五家原岳もあり、縦走する方も少なくありません。
多良岳山系の三大名花、マンサクが春一番に、ツクシシャクナゲが5月上旬頃、夏はオオキツネノカミソリと季節ごとに花が咲き、春から夏にかけて登山客が増えます。
また、多様な植物の宝庫でもあり、秋の紅葉や冬の霧氷など一年を通して様々な顔を見せてくれる山です。
登山レベルは中級レベル。
ルートによっては初心者でも登れる低山ですが、多良岳山頂までは修験道の名残を思わせる険しい岩場や鎖場もあり、しっかりとした装備と十分な体力が必要です。
佐賀県側、長崎県側に複数の登山口があり、どのルートからも日帰りで登れます。
多良岳9合目にある金泉寺には週末に開いている山小屋があったり、登山口の近くにキャンプ場もあるので、一泊二日のアウトドア旅も楽しめますよ。
取材時:2025年10月
長崎県側は金泉寺登山口や五家原岳からのルートも
多良岳までの登山ルートは長崎県側だけでも複数あります。
例えば、諫早市と大村市の境にある金泉寺登山口。ここから金泉寺まで20分ほどです。数台停められる駐車場もあり、気軽に金泉寺や多良岳まで行くことができます。
また、多良山系の第二峰、1057mの五家原岳の山頂までは車道が通っていて、車やバイク、自転車などでもアクセスが可能です。登山せずとも、1000m級の山頂に簡単にたどり着くことができちゃいます!(※山頂までの車道は大変狭く、駐車スペースも少ないので注意)
山頂の展望台から金泉寺までは2.6km。ここから金泉寺経由で多良岳山頂を目指すこともできます。五家原岳山頂までの登山コースも複数あり、慣れている方は体力や難易度に合わせて縦走登山を目指してみてください。
今回は一峰登山、長崎県大村市の黒木町にある黒木登山口から多良岳山頂を目指します!
黒木登山口の駐車場に車を停めてトレッキングスタート!
黒木登山口にはいくつか駐車場が分かれていて、今回は10台ほど車が停められる第2駐車場に車を停め、出発しました。
第2駐車場にはトイレがあるので、トイレを済ませていざ出発!
公共交通機関でのアクセスの場合、第2駐車場の少し手前に黒木バス停があり、JR大村駅からここまでバスでのアクセスも可能です。
本数は一日に数本のみで少ないので事前に長崎県営バスの時刻表をご確認ください。
JR竹松駅からここまで、乗合タクシーも事前予約制で運行しているので、電車で来られる方はそちらも事前にチェックしてみてくださいね。
登山計画はしっかりと!
登山口入口には登山計画書と提出箱がありました。
万一に備えて、登山届を出して安全登山!
非常時に備え、携帯電話のバッテリー、非常食(行動食)、ライトなども持って行きましょう。
多良岳の登山ルートでは2025年にも登山中の滑落・転落による死亡事故が発生しましたので、十分注意してください。
登山の原則は「早出早着」。
往復で4~5時間はかかるので、午前中には出発しましょう。
まずは多良岳山頂手前にある金泉寺を目指します!
大村市黒木登山口から西野越経由で金泉寺まで1時間40分ほどの登山です。
登山口から舗装された道を進むと八丁谷の分岐点に到着。
ここから、多良山系最高峰、1076mの経ヶ岳へ登ることもできますが、今回は金泉寺、多良岳方面へと進みます。
7月下旬から8月上旬に見られる天然記念物のオオキツネノカミソリの群落はこのルート途中の西野越付近で見ることができます。これを目当てに夏は多くの登山客で賑わいます。
「私たちを踏みつけないでね。」というオオキツネノカミソリからのメッセージの看板が何箇所かにあり、この辺りに咲くんだなとわかります。
開花の時期ではなかったので、残念ながら写真はありませんが、オオキツネノカミソリの画像はこちらで見られますよ。
コース外れに注意!
八丁谷からは森の中を通り、沢の近くを登っていきます。登山道は整備されていますし、道標やテープ、道をさえぎる倒木などの目印がありますが、ところどころ道がわかりにくいところもありました。
実際、目印に気づかず、曲がるべきところを気づかずに進んでしまい、若干道に迷ってしまいました…
道に迷ったときは、元の位置に戻るのが基本。
何かおかしいなと思ったら、そのまま進まず、来た道に戻って見落とした目印を発見。
危うく遭難…なんてことにならないように、事前にコースを確認し、コンパスやトレッキングマップを持参したり、スマホのGPSアプリや登山アプリも活用してくださいね。
修験道の始まりといわれる「金泉寺」に到着!
五家原岳からのルートの合流地点、西野越の分岐路から10分ほどでたどり着く、最初の目的地「金泉寺」。
山小屋やトイレなどの建物が見えてきたその先に、存在感のある綺麗なお堂が目に入ってきます。
標高870mにある金泉寺は、平安時代初期に空海(弘法大師)が建立したと伝えられる真言宗のお寺です。
また、修験道の始まりがこの金泉寺であるといわれています。
東の英彦山(福岡県)、西の多良岳と言われるほど神聖な山として知られ、最盛期の江戸時代には30余りの宿坊があり、多い時で600人もの修行僧がいたそうです。
1574年には、キリスト教徒の焼き討ちにあったという苦難の歴史を経て、多良山系のシンボルとして今もなお大切に守られています。
週末に泊まってみたい!金泉寺山小屋「ヒュッテ金泉寺」
金泉寺の横には山小屋がありますが、残念ながら平日はお休み。
土日祝と年末年始に営業しています(要予約)。
山小屋に滞在すると、管理人さんや登山客同士の交流や情報交換なども楽しめ、こちらを拠点に多良岳だけでなく多良山系の山々の山頂を目指すのも良さそうですね。
オリジナル多良山系山のバッジも販売中との看板も。
登山記念にバッジがほしい方は週末を狙ってくるといいかもしれません。
山小屋が開いていなくても、付近にテーブルやベンチ、バイオトイレもあるので、ここで少し休憩してから、多良岳山頂へ!
山頂まで30分ほどかかります。
金泉寺から多良岳山頂までのレポートは後編へ続きます▼
この記事を書いた人
o#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
長崎の魅力を県外や海外の方に知ってもらいたい!
長崎県大村市出身。インバウンドを得意とする旅のコンテンツクリエーター。海外・東京などでの生活を経て、2018年の暮れに長崎にUターン。その後、長崎の歴史や文化を学び直し、その魅力にはまる。個人のSNSやフリーランストラベルライターとしても複数メディアで長崎の魅力を発信中。

