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日本の伝統を島原で!和ろうそく作りが体験できる生きた文化資料館・本多木蝋(もくろう)工業所

日本の伝統を島原で!和ろうそく作りが体験できる生きた文化資料館・本多木蝋(もくろう)工業所-1

私たち日本人にとって身近なロウソク。

ロウソクを使うことはあっても、木蝋(もくろう)や和ろうそくという日本の伝統的なロウソクがあることはご存じですか?

長崎県島原市に、日本伝統の木蝋や和ろうそくを製造・販売している本多木蝋工業所があります。

今回は、和ろうそく作りが体験できる本多木蝋工業所をご紹介します!

和ろうそくとは?原料は何?

ロウソクには和ろうそくと洋ろうそくの2種類があります。 
現在一般的に使用されているのは洋ろうそく。
洋ろうそくはパラフィンという石油から作られ、芯は糸でできています。

一方、和ろうそくは、燈芯(とうしん)というイグサのずいから作られた中が空洞の芯が用いられ、ろうの部分は櫨蝋(はぜろう)という櫨の木の実から搾った自然の油が原料。

和ろうそくは火のゆらめきに特徴があり、中が空洞になっているため空気が下から上に上がり、炎が大きく暖かみがあります。
炎が大きいので少々の風では消えない縁起物。
煤(すす)が取りやすいので、国宝級の寺院は仏具を汚さないように和ろうそくを使用しているのだそう。

日本と地域の伝統文化を継承する和ろうそくは、石油を使わない植物性の素材で環境にもやさしく、とってもサステナブルなロウソクなんです。

島原市原産の「昭和福はぜ」。木蝋の原料・櫨(ハゼ)の木を自ら栽培!

木蠟にも複数品種がありますが、本多木蝋さんで使っているのは主に島原市原産の「昭和福はぜ」の櫨蝋。
島原の千本木・安中地区はかつて櫨の一大産地で、「昭和福はぜ」が新種として発見された地域でしたが、雲仙普賢岳噴火の際、火砕流で絶滅の危機に。

本多木蝋さんでは「昭和福はぜ」を敷地内に植林し、自ら所有している山でも櫨の木を育てながら、木蝋や和ろうそくを通して「昭和福はぜ」を知ってもらうための振興活動を行っています。

櫨の実の収穫は11月~1月頃。
その実から採れる蝋を使って和ろうそくを作りますが、櫨の木から木蝋を作る一連の流れを本多木蝋さんで見学することができます。

お店に隣接!工場は櫨ろう資料館!?

「櫨の道 資料館」と書かれた看板と「しまばら和蠟燭」ののれんがかかった入口を入ると、様々な和ろうそくが陳列されたお店になっています。
その横にはロウソクの絵付け体験ができるスペースが。

奥に進むと、隣の建物にある木蝋や和ろうそくの製造工場に続いていて、櫨の実を圧搾する機械の実物が置いてあり見学することができます。

実際に稼働しているところを見られるかはタイミング次第。
稼働していない時でも、映像や資料を見せてもらうことができます。

注目は、現役で稼働しているのは全国でもここだけという木蝋製造機械の「玉締め式圧搾機」。 
1937年製造でなんと80年以上も稼働しているのだそう。

蒸した櫨の実をこの圧搾機にかけて搾りますが、櫨の実から搾ることができる蝋分はたった20%弱。

化学溶剤を使えばもっと抽出できるそうですが、本多木蠟さんがこだわるのは江戸時代から続く伝統技法で最低限の蝋だけを抽出し、残った絞りかすは燃料や畑の堆肥にするという循環型の蝋づくり。
櫨蝋を通して、環境と伝統を守り続けています。

また、その隣には江戸時代の立木式玉締め圧搾機の復元されたものや写真、絵などの展示があり、櫨ろうや和ろうそくについて学べる資料館となっているのも驚きです。

実は、三代目の本多俊一さんと奥様は教育のプロである元教員。
本多木蝋工業所を地域に根ざした生きた生涯学習施設にすることを目指し、その経験を生かして体験プログラムにも力を入れています。

要予約!和ろうそく作りを体験!

本多木蝋工業所でぜひ体験したいのが、和ろうそく作りと絵付け体験。
お店や工場(資料館)の見学は営業時間内であれば予約なしでも可能ですが、体験メニューは予約が必須。

まずは和ろうそく作りを教えてもらいながらやってみました!

本多木蝋工業所の和ろうそくづくり体験では、イグサのずいを巻いた棒を型にはめて、溶かした櫨ろうを流し入れて作ります。
蝋が固まるのに少し時間がかかりますが、その間に櫨ろうに関するビデオを見たり、工場を見学したりできますよ。

蝋が固まったらはみだしている部分のイグサのずいを切り落とし、型を外してろうそくを押し出します。

最後に棒を抜き取ったら和ろうそくの出来上がり!
紙製のかわいいロウソク入れに入れて、自分で作った和ろうそくをお持ち帰りできます!

 

自分で描いた絵ろうそくをお土産に!和ろうそくの絵付け体験

お次は場所を移動し、和ろうそくの絵付け体験へ!

好きな色の絵具と筆を使って、想像力を働かせて自由に絵を描いてみましょう!
何を描けばいいか思い浮かばない方は絵のサンプルがあるので、参考にしてみてください。

絵ろうそくは東北などの寒い地域で冬場のお花の代わりとして仏壇に飾られていたという伝統があるので、お花を描いてみるのもよし。文字を書いてみるのもよし。
クリエイティブにあなただけのオリジナル絵ろうそくを作りましょう。

基本のプランはロウソク一本の絵付けですが、もっと絵が描きたいという方は追加で和ろうそくを購入して描くこともできます。
私は一本追加して二本のロウソクに絵付けしました!

自分で作って絵を描いた和ろうそくは、島原観光の素敵な旅の思い出とお土産になること間違いなし!

和ろうそく作りと絵付けの体験プランはどちらか一つだけでも体験可能ですが、せっかくなら両方のプランをセットで体験するのがおすすめですよ。

本多木蝋工業所HP
https://shop.honda-mokurou.net/

アクセス良好!本多木蝋工業所は絶景スポットの大三東(おおみさき)駅から徒歩5分!

本多木蝋工業所へは、車でお越しの方は敷地内の駐車場がありますが、電車やバスで来られる方は島鉄大三東駅から歩いて行くことができます。

大三東駅は「日本一海に近い駅」と言われ、有明海に面した絶景スポット。
テレビCMの撮影に使われたロケ地としても有名です。

写真を撮ったり、構内には訪れた人のメッセージが書かれた黄色いハンカチがかけてあったりと、ちょっとした観光スポットとして訪れたい場所。

駅のそばには本多木蠟工業所の大きな看板もあります。

鉄道好きの方はぜひ、美しい景色が楽しめるローカル線島原鉄道の黄色い電車に乗って、本多木蠟さんと合わせて大三東駅も訪れてみてくださいね。

島原観光の思い出作りとお土産に!伝統を紡ぐ本多木蠟工業所へ!

日本の伝統である和ろうそくについて学ぶことができ、地域に根ざした生きた文化資料館でもある本多木蠟工業所。

体験は予約が必要ですが、和ろうそくの販売も行っているので、お店にふらっと立ち寄ることもできます。

大小様々な和ろうそくや、島原の絵付師さんが描かれた色とりどりの絵ろうそくがたくさんあり、ごま油や菜種油、椿油なども販売されています。
大三東駅や雲仙普賢岳、島原城などが描かれた島原らしい絵ロウソクも販売されていますよ。

島原観光の思い出とお土産にぜひ本多木蠟工業所を訪れて、環境に優しい伝統的な和ろうそくに触れてみてはいかがでしょうか。

 

今回訪れた場所

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この記事を書いた人

MiyakMiyakoo
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)

長崎の魅力を県外や海外の方に知ってもらいたい!

長崎県大村市出身。インバウンドを得意とする旅のコンテンツクリエーター。海外・東京などでの生活を経て、2018年の暮れに長崎にUターン。その後、長崎の歴史や文化を学び直し、その魅力にはまる。個人のSNSやフリーランストラベルライターとしても複数メディアで長崎の魅力を発信中。
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