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月9ドラマ「君が心をくれたから」長崎ロケ日誌-1

月9ドラマ「君が心をくれたから」長崎ロケ日誌

月曜よる9時に放送されたドラマ『君が心をくれたから』。
長崎を舞台として、物語を彩る県内の各ロケ地が地元でも大きな話題となっています。
ロケハン(ロケーションハンティング)から撮影まで関わったフィルムコミッションの視点から、本作が放送されるまでの裏話を紹介します。
また、最終話撮影にまつわる「もう一つの奇跡のエピソード」(内部リンク)も紹介していますので、どうぞご覧ください。

訪れた場所は100ヶ所以上!ロケーション探しの日々

猛暑が続く2023年8月、「秋に長崎で月9ドラマを撮影します」と突如連絡が入り、フィルムコミッションと本作の関わりが始まりました。
長崎のお盆の伝統行事・精霊流し(しょうろうながし)が終わった8月中旬ごろ、東京から制作会社のスタッフが訪れ、県内のリサ―チからスタートしました。長崎の地名や名所が随所に散りばめられた台本を手に、大浦天主堂や眼鏡橋などの観光名所から、学校や名もない道まで100ヶ所を超えるロケーションを、汗を拭いながら巡る日々が続きました。

9月には二度にわたり監督やカメラマンなどのスタッフが本県を訪れ、「長崎でしか撮影できない場所」「異国情緒あふれる風景」をキーワードに、ロケハンを行いました。その後もスタッフとともに幾度となく県内を駆け巡り、またたく間に3ヶ月が過ぎました。
ロケハンは長崎での撮影日直前(11月下旬)まで行われ、最後まで納得のいく作品にしようという制作陣の本作にかける想いと強いこだわりを感じました。

準備できるか?精霊船

3ヶ月にわたるロケハンで難題だった一つが、第1話に登場した「精霊流し※」のシーンです。スタッフから「長崎のお盆の伝統行事である『精霊船』を手配したい」と相談を受けたのは9月ごろ。当然ながらこの時期に現物はどこにもなく、販売元・製造元に問い合わせても見当たりません。
長崎を象徴する「精霊流し」は、主人公・雨(永野芽郁さん)と太陽(山田裕貴さん)が親交を深める場面に欠かせない、クライマックスにつながる重要なシーン…。
その後も連絡を取り続け、「何とか再現したい」思いが天に通じ、観光関係者を介して展覧用として保管されていた企業を紹介していただきました。相談したところ、精霊船だけでなく、鐘や提灯なども快く貸し出していただき、県民の懐の深さを改めて感じました。
作中ではわずか数秒のシーンでしたが、実はさまざまな方のご協力を得て、放送に至っています。
 

コラム

精霊流し-1

精霊流しの様子

精霊流し

毎年8月15日に、盆前に逝去した人の故人の霊を弔うために、遺族と地域の人たちが手作りした船を曳きながら街中を練り歩き、極楽浄土へ送り出すという長崎の伝統行事です。
夕暮れ時から町のあちこちで、鐘の音・「ドーイドーイ」の掛け声・爆竹の音が鳴り響き、行列は夜遅くまで続きます。

詳細はこちらから

大勢のエキストラとともに築き上げた長崎ロケ

11月下旬、いよいよ長崎市内から撮影がスタートしました。
約1ヶ月に及ぶロケで印象的だったのは、第1話に登場した「年末のカウントダウンイベント」のシーン。撮影場所に選ばれたのは、長崎県庁裏にある「おのうえの丘」(長崎市)でした。
10月中旬、スタッフからエキストラを800名集めてほしいと相談があり、当初不安はあったものの最終的には1200名を超える応募が寄せられました。
中にはこの日のために県外から訪れた方もおり、ロケは夕方から夜遅くまで行われました。助監督の掛け声が何度も響きわたり、アングルを変えながら繰り返し撮影は続き、緊迫した空気が張り詰める現場。雨や強風に見舞われる中、その場にいるエキストラ全員がキャストの演技を静かに見守り、無事撮影を終えました。

同じく、第1話に登場した「雨と太陽の出会い」のシーンは、「長崎県立長崎東中学校・長崎東高等学校」で撮影が行われました。本作には実際に同校の生徒がエキストラで参加しており、70名の募集に対して300名を超える応募がありました。
この話を聞き、スタッフも生徒たちの期待に応え、「撮影に参加できない子どもたちにも思い出にしてほしい」と教室から見学できるように案内し、当日は大勢が見守る中、撮影が行われました。
エキストラの純粋な笑顔、教室からもれる歓喜の声、キャスト迫真の演技に釘付けになる生徒たちの眼差しは忘れられません。

変わりやすい天気との戦い

順調に撮影が進む中、12月中旬になると状況は一変。変わりやすい天気と急な気温の低下によって撮影は難航し、その度に日程が変更されました。日々送られてくるスケジュールを確認しながら現場へと足を運び、スタッフの皆さんとともに無事に撮影を終えられるよう祈りながら、サポートに徹しました。

第2話に登場した「結の浜マリンパーク」(諫早市)で海から昇る朝日や、「長崎水辺の森公園」「長崎県美術館」(長崎市)から望む夕陽のシーンは、撮影陣が数日にわたり粘った末に撮影されたものであり、視聴者の皆さんにも深い印象を与えたと思います。

第3話に登場した「東明山 興福寺」(長崎市)では、雨のシーンだったため、土砂降りの中、撮影を開始しました。ところが、途中で雨が上がったため、急きょ相談して水道をお借りし、スタッフが放水することで雨を再現することになりました。

第4話に登場した「ハウステンボス」(佐世保市)では、多くのお客様でにぎわう中、広大な園内を移動しながら、丸二日かけて撮影が行われました。急な寒波の影響で雪や強風が吹く中、何度も中断を繰り返しながらも無事撮影は終了しました。
 

『君ここ』を通じて気づく長崎の魅力

本作は「長崎でしか撮影できない場所」「異国情緒あふれる風景」が多数詰め込まれており、番組を視聴して改めてその魅力に気づいた人も多いかと思います。

長崎には和華蘭文化をはじめ、多くの観光名所や「九十九島」(佐世保市)などの豊かな自然、食、「ランタンフェスティバル」といった伝統行事など、さまざまな魅力で溢れています。
加えて、作品づくりのために撮影場所や差し入れを提供したり、エキストラとして積極的に参加したりする県民性(人柄)もその魅力の一つだと考えています。
長崎へ訪れたことのない方は、ぜひ本作を機に足を運んでいただき、各シーンを思い浮かべながらロケ地を巡り、長崎の魅力に触れてください。
また、長崎にお住まいの皆さんも、全国放送でロケ地に選ばれる県であることを誇りに思っていただけると幸いです。

スタッフをはじめ、撮影にご協力いただいた全ての皆さん、ありがとうございました!

『君が心をくれたから』もう一つの奇跡のエピソード~長崎ロケ再び~

最終話撮影にまつわる「もう一つの奇跡のエピソード」を紹介しています。ぜひ、こちらもご覧ください。

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