「五島へ五島へと皆ゆきたがる 五島はやさしや土地までも 五島は極楽 行ってみりゃ地獄…」五島キリシタン唄の哀しい一節です。1797年、大村領の外海から、故郷を棄て信仰の新天地を求めて海を渡りはじめ、最終的には3000人ものキリシタンが五島の島の津々浦々に散っていきました。彼らを待っていたのは僻地の荒れ野と赤貧の日々、そして1868年におきた「五島崩れ」と呼ばれる再度の迫害。それでも地を這うように土地を耕し、辛抱づよく信仰という一粒の種を播きつづけました。そして1873年、禁教が解かれ、やがてその種は島々の津々浦々に五十もの美しい教会となって珠玉の実を結んだのです。