| 昭和35年 | 長崎県大村市生まれ |
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| 平成2年 | 大村市農協を退職。果樹、水稲栽培・養豚経営 |
| 平成7年 | 大村市福重地区農業農村活性化推進協議会を発足 |
| 平成8年 | 農産物直売所「新鮮組」オープン |
| 平成12年 | 農業交流拠点施設「おおむら夢ファーム シュシュ」オープン |
| 平成15年 | (有)シュシュ代表取締役に就任 |
| 平成17年 | グリーンツーリズムアドバイザー就任 |
| 平成18年 | 長崎県観光マイスター就任 |
| 平成19年 | 団塊の世代を対象とした「農業塾」開校 |
| 平成19年 | 全国地産地消活動 交流促進部門で最高賞の農林水産大臣賞受賞 |
| 平成21年 | 農産加工施設を開設 |
大村市の北部にある福重地区は40年ほど前から梨やぶどうの産地として8月と9月の2ヶ月間だけフルーツ狩りの観光客で盛り上がっていた。
しかし、他の季節は閑古鳥が鳴く有様。なんとか1年を通して大村に人が来るような「楽しみ」を設けようと、農家が直接販売できる「農産直売所・新鮮組」を作った。値段も生産者が付けるというもので、採れたて新鮮な食材が並ぶ直売所は消費者にも生産者にも好評を得た。
これがきっかけで、農産加工品施設「手作りジェラートシュシュ」が平成9年に、そして農業体験やレストラン、加工品の販売が一緒になった農業拠点施設「おおむら夢ファーム シュシュ」が平成12年にオープンした。
当時、農産物を使って観光客を呼び込むという施設は全国的にもめずらしく、また、生産者の顔が分かり、新鮮で旬な野菜が100円〜200円ほどという安い値段で購入できたことは消費者を多いに喜ばせた。
![]() 「パン」 |
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![]() 「アイス」 |
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加えて、トマトやさつまいも、いちごなど地元で採れた旬の食材を使ったジェラートは、体に優しくフレッシュな味が女性や子供の心をガッチリと掴んだ。
この施設の成功において、オープン年度は35万人、年を重ねて少しずつ右肩上がりになって、平成19年度には47万5000人の来場があった。
この成功の裏には、地元の人々の、町と農業を愛する熱い思いが集約されている。シュシュの運営が福重地区の専業農家8戸によって成り立っていることは全国的にもあまり例がなく、農家ひとりひとりがこの土地を愛し、この土地に生きる喜びを見出したことが繁栄と成功のカギになっているのは間違いない。
![]() 「いちごハウス」 |
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![]() 「生産者のプレートが付いたもの」 |
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日本全国の農業従事者は324万人と言われている。そのうちの40%が70歳以上、39歳以下となるとたったの13%。若手の従事者が極端に少ない。
長崎県もここ数年で激減している。山口氏はこの数字を見て、もっと農業の楽しさと感動を若い人に伝えていかなければならない、そしてそれを一緒に感じて行こうと決意する。
長崎県は荒廃農地が全国No.1。特に大村地区は荒廃農地に加え高齢化、後継者不足と3K問題を抱えており、また良いものを一生懸命作っても「豊作貧乏」に陥る。
これらを何とか打開しようと考えたのが加工品の製造である。たとえばみかんやイチゴなど見た目が悪いものは売れない。しかし中身の味は文句ないのだから、ジェラートや洋菓子、パンなど加工してシュシュで精力的に販売する。
また若手の農家と、県外から農業塾に体験しに来た人々とが一緒になって荒廃農地を開拓し、芋焼酎用の芋を栽培した。
ゼロから土を耕すのだから、それはそれは大変なのだが、収穫したときの感動、自分たちで作った芋で飲む焼酎の旨いこと!その達成感は「モノが育つ喜び」へと変わっていく。
そしてその喜びを消費者にも分け与えること。
メロンオーナー制度は苗付けから受粉、名前入れなど年に4回ほど訪れてもらい、収穫を楽しむもの。
イチゴ狩りはもちろん、季節の食材を使ってパン作りやいちご大福作り、ウインナー教室など体験してもらえば、ここだけの忘れられない思い出づくりができ、「また来よう!」とリピーターになってもらえる。
このリピーターが観光には一番大切だと山口氏は強く語る。それには、町全体が四季を通じて楽しめる企画を考えること、旬の味覚を提案すること。去年の常識は今年とは違うのだから、時代によって求められていることを察知すること。そうすれば消費量も増え、生産者だって頑張る力をもらえるはずなのだ。
大村市はシュシュの活動もあって、農家への嫁不足もなく若手の農家も順調に育っている。
またシュシュでの従事者の8割が女性で、商品開発や販売のセンスは女性の視点で作られていた。
味、見た目、流行…。客の7割が女性でもっているのも頷ける。山口氏はそういうことから、ビジネスのキーワードは女性の視点と言っている。
![]() |
「スタッフ手書きのチラシ」 |
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加えて老若男女ともにイキイキと働けるということで、地域が元気になったという。これはとても大切だ。
また、県内からの客が多いシュシュとは逆に、団塊の世代をターゲットにした農業塾は、現在まで172名が入会しており、その3割りが県外から。
数週間から数ヶ月のワーキングホリディを使って農業しながらリフレッシュして帰るという農業体験は、いつか長崎に住みたい!という定住者促進、また観光促進にもつながっている。
山口語録
●女性の視点が大切 |
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![]() 「あってんはなし通信」 |
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![]() 「ケッコーイケてるシュシュプリン」 |
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消費力・購買力を上げるには、まず地元の人がその土地のものを愛すること。例えば、観光客が泊まるホテルで、目の前の大村湾で採れる牡蠣を使わず、輸入ものなどに頼るのはいかがなものか…と山口氏は首を傾げる。
自分の周りにもっと目を配り、長崎にわざわざ来て下さった方を地産のもので料理してこそ、本当のおもてなしだと常々思っている。
これには、農業生産である第1次産業とホテル業界が連携していかなければならず、長崎県はこの横の繋がりが大きな課題だと言う。
土産に関しても、長崎でしか買えないものを作り出すこと。しかもターゲットは核家族向けだ。今や、みかん100個だの梨20個だのと大量消費は時代に合わない。
それよりも長崎和牛に大村産の梨で作ったタレを付けたものとか、地元の米や野菜が入ったカレー食材セットなど、ここならではの工夫をすれば、それはいつか長崎ブランドになりうるかもしれない。
観光ルートも福岡発着ではなく、長崎発着を誘致して、長崎空港から九州の土産を…と展開すればビジネスだってアップしていくのでは…と、山口氏の提案は尽きない。
まずは県民が長崎県の良さをもっと知ること。それは農業はじめ水産、観光、風土など多分野に渡る。
そして様々な機関が連携して「長崎らしさ」を発信していくことが今後とても大切なのかもしれない。