
鍛冶屋町方面から寺町通りをどんどん歩いていくと、「亀山社中跡」へと続く坂道がある。亀山社中とは、坂本龍馬が結成した日本で最初の商社。亀山社中跡へと続く坂道は「龍馬通り」と呼ばれ、「龍馬もこの坂を上ったのか…」と思うと、感慨深いものがある。この龍馬通りも、かなりの急な階段の連続だが、先はまだまだ遠い。
亀山社中跡も、長崎市街が一望できる龍馬のブーツの銅像がある場所も(龍馬は日本で最初にブーツを履いた人だとか! ハイカラやなぁ)通り過ぎ、細い坂道をぐんぐん上っていく。「本当に道は合っているのか?」と不安になってきた頃、若宮神社は見えてきた。
赤い鳥居をくぐってみる。大沢くんの隣どころか、デートスポットを1人で歩く私っていかがなものか…。
隆之と陽子が長崎の街を散策するシーンには、諏訪神社や南山手のどんどん坂など、有名な場所が多い。その中にあって、長崎人でも「あの赤い鳥居の階段は?」と思うのが、この若宮神社。毎年10月14、15日の例大祭で奉納される竹ン芸で有名な神社ではあるが、若い人は知らない人も多いだろう。龍馬通りから来ると、本当に「なんで、こんなとこに…」と思うような場所にあり、不思議な感じだ。少し歩くと、あの赤い鳥居が現れる。隆之と陽子が仲良くくぐっていた鳥居だ! 急な坂道を上ってきただけに、「ここだったのか!」という喜びもひとしお。思わぬデートスポットの発見だ。
若宮神社
毎年、秋の大祭で奉納される「竹ン芸」で有名な神社。「竹ン芸」とは、男狐、女狐の面をつけた2人の若者が十数メートルもある竹の上で宙を舞う迫力ある演技。赤い鳥居が続く階段が美しい神社。
DATA 長崎市伊良林2-10-2 095-822-5270

隆之の姉の嫁ぎ先は、長崎を代表する伝統工芸・手造り凧を営む店。風頭公園のすぐ横にある「小川凧店」がそこだ。ハタ造りの工具を展示したり、実際に凧造りの制作過程を見学できる資料館の役目も果たしている。ここの主である小川暁博さんは長崎で唯一の凧造り職人。映画の中で石野真子さんの後ろに座っていたのも、小川さんだ。ここには数多くの芸能人が訪れていて、「解夏」はもちろんのこと、いろんな撮影の裏話を聞くことができる。「うわぁ、吉永小百合もスピッツも来てるじゃないですか!」という私に、笑顔でいろんな楽しい話を聞かせてくださった。
風頭公園で凧を揚げてみた。映画のシーンとは似ても似つかぬ、ドタバタ劇のような時間だ。
小川さん曰く「子どもでも揚げられる」という200円のハタを買って、隣の風頭公園へ。映画の中で隆之がハタを揚げていた場所で、私も揚げてみた。隆之が揚げていた大きなハタはやはり難しいらしく、「大沢くんが揚げよるごと見えて、おじさんが糸ば引きよったとよ」とこっそり教えてくれた。私は子どものように、走ってハタを揚げてみた。
なかなか楽しい体験だ。大沢くんと同じ芝生の上に立って、大沢くんと同じ青空を見上げて、ハタ揚げをするなんて! なんだか大沢くんを身近に感じてしまうのは、私がバカだからなのか…。ともかく、「きれいに揚がりましたよ!」と小川さんに報告へ戻り、また撮影秘話を伺う。「そこのイスが大沢くんが座ったとこたい」と教えてもらい、もちろんそのイスに座り、記念撮影。小川さんの伝統芸も見事なものだが、おしゃべりも同じくらい面白い。
お土産にミニチュアのハタを買った。
小川凧店
長崎の伝統工芸であるハタを製造、販売。 店内2階にある「長崎凧資料館」ではハタに関する資料を展示するほか、店主の小川暁博さんによるハタの作業工程が見学できる。
DATA 長崎市風頭町11-2 095-823-1928
陽子が座っていた場所に座り、手を振る私。もちろん、隆之に向かって!
この映画の最も印象に残る場所といえば、やっぱり聖福寺。 ここは、子ども時代の隆之がかくれんぼをし、隆之と陽子が再会を果たし、2人が「解夏」の話を聞き…と、重要なシーンのオンパレード。
ということは、大沢くんが滞在した時間も多いということ! 楽しみ〜。
北の寺町通りとも呼べる、筑後通りを歩いていると、いくつものお寺が並んでいる。 その中でも一際立派な山門が目に飛び込んできた。これが聖福寺だ。
さっそく、中へ入ってみる。階段を上り、境内へ入ると、まさに「かくれんぼの風景」!
思わず「おぉ」と声を上げてしまった。左手に進むと、陽子が隆之を待っていた石段が!
もちろん、その場所に腰を下ろし、気分はすっかり陽子に。
聖福寺の近くには、こんな素敵な路地が。長崎って感じするなぁ。
石段を登ると、手前に鬼瓦、奥には長崎の美しい景色が広がっていて、それはそれは気持ちがいい。
石段を登りきって左手に進むと、井戸を発見。ここも隆之が覗き込んでいたなぁ。一応、覗いてみるか…きれいな鯉が泳いでる! そばでは猫が昼寝しているし、のんびりしたところだ。この井戸が、あんなふうに映るなんて、映画ってやっぱりスゴイ。
もう一度、境内へ戻って、芝生の上に座ってみる。静かで風が心地よく、隆之、いや大沢くんを思い浮かべるにはピッタリ。長崎駅のすぐそばとは思えない静かさだ。ちなみに聖福寺の前には、夏目漱石も訪れたという由緒ある料亭の跡も。なんか、得した気分。
聖福寺
1677年に鉄心禅師が開いた黄檗宗の禅寺。境内にはジャガタラお春の碑や茶せん塚、末寺の瓦を埋め込んだ瓦塀、市川団十郎の供養塔など、見どころがいっぱい。
DATA 長崎市玉園町3-77 095-823-0282
万寿庵
シーボルト通りにある老舗。明治10年創業という、懐かしい佇まいが印象的。隆之の母が何度も饅頭を買っていた店がここだ。店内では、「やぶれ饅頭」74円や「甘酒饅頭」84円を販売。
DATA 長崎市桜馬場2-4-10 095-822-6526
草庵
石田ゆり子が監督、スタッフと共に来店した日本料理屋。鍛冶屋町の崇福寺通りに佇み、素材の味を活かした料理には定評がある。「当日はお座敷で、いろいろな一品料理をご注文されました。清楚でとても可愛らしい人でしたよ」と店長さん。
DATA 長崎市鍛冶屋町5-78 095-820-4117
1er cru(プルミエ クリュ)
石田ゆり子、富司純子が一緒に来店した寺町通りのお店。シェフの手から生まれる、こだわり抜いた料理の数々は「絶品」そのもの。当日は、いのししを使った肉料理やパスタなど、アラカルトを楽しんだとか。「石田さんはとても丁寧な方で、最後もきちんと挨拶をしてくれて、感じのいい方でした」と店長さん。お昼のランチは12名限定だから、急いで!
DATA 長崎市鍛冶屋町4-12 095-829-1061